
2005.1.17 第2回 あなたの会社の独自性とは何か?
もう1年か2年くらい前になるでしょうか。
歌手の浜崎あゆみさんがブレイクした時、街には、彼女の真似をした女の子がたくさん歩いていました。髪型も、化粧も、服装も、サングラスも、何もかも彼女の真似です。その数は、1人や2人ではありません。休日に街に出ると、1時間で20人・30人見かけるほどの数です。街を歩いている女の子達は、「私も浜崎あゆみのようになりたい」と思い、一生懸命研究し、そのコピーをしていたのでしょう。
結果はどうでしょうか?彼女たちは人気者になれたのでしょうか?おそらくなれなかったでしょう。
たとえ、彼女たちが浜崎あゆみさんよりも歌が上手くなったとしても、浜崎あゆみさんを超えるどころか、同じようにさえなれません。世の中は、「な〜んだ。浜崎あゆみのコピーじゃない。」という反応を示すからです。あのファッションやキャラクターは、浜崎あゆみさんの専売特許なのです。人々の心の中に「浜崎あゆみ」の領域を作ってしまったのですから。
これによって、「浜崎あゆみのようになりたい」と努力をした人たちは、「浜崎あゆみのコピー」と見られてしまうのです。
これは、すごく恐ろしい話ですよね。
どれだけ努力して、歌が上手くなろうとも、容姿を整えようとも、彼女たちは、浜崎あゆみさんには勝てないのです。 この時、商品力(歌の上手さや容姿など)は問題にさえされないのです。
このようなことは、あなたの身近でも、たくさん起こっているのではないかと思います。
例えば、パーティーで出会った人と、名刺交換をし、仕事の内容を聞きます。その時、その人のことをどう捉えているでしょうか。「○○さんと同じような仕事をやっている人か」
このように、感じることが意外に多いのではないでしょうか? この場合、その後、その人と、再度、連絡をとり、仕事上でつながる可能性は、非常に少なくなります。万が一、仕事が発生しても、その時は、パーティーで知り合った人ではなく、迷わず、気心が知れている○○さんと連絡をとるでしょう。パーティーで知り合った人は、浜崎あゆみさんの真似をしていた街の女の子と同じ位置づけになってしまっているわけです。本家には、どうやっても追いつけないのです。
では、パーティーで知り合った人が、あなたの知り合いの中にはいない、特殊な仕事についていたらどうでしょうか?あなたは、その人に、こう言うかもしれません。
「今後、何か接点があれば、ぜひ、よろしくお願いしますね。」
そして、この人が必要な仕事が発生した時には、連絡をとって、詳しく話を聞いてみようと思うかもしれません。この人は、前の事例で言えば、浜崎あゆみさんと同じような位置づけを確保したと言えます。本家になったのです。
さて、少し前置きが長くなりましたが、会社経営の話に移りましょう。
会社経営において、最も重要なことは何ですか?と聞かれたら、あなたは何と答えますか?
どんな答えでも、間違いというものはありませんが、本質に最も近い答えは「顧客数」ですよね。顧客数が少なければ、どれだけ商品力があっても、それが伝わっていきませんから。
会社経営において、最重要視するべき指標は、顧客数です。顧客数が少なければ、打つ手がないのです。
一般的に、顧客数を増やす活動は、「マーケティング活動」と呼んでいます。「マーケティング」とは、「市場」を意味する「MARKET」と、現在進行形の「ING」から創られている単語です。 「市場」とは「消費者の集合体」です。つまり、マーケティングとは、「消費者を動かす活動」=「顧客を増やす活動」です。
マーケティングと聞くと、「リサーチ」や「販促」を思い浮かべる方も多いと思いますが、実は、これらは、マーケティング活動の中の1つの施策に過ぎません。顧客の創造に関わる活動全てがマーケティング活動です。
つまり、「会社経営の最重要項目」=「マーケティング活動」なのです。
さらに考えましょう。マーケティング活動の中で最も重要なことは何でしょうか?
先ほどの事例を再度、見てください。たとえ、自社の方が商品力が優れていようとも、勝てない相手というのが、世の中には存在します。逆に言えば、「商品力が多少、劣っていても、負けない状態」というのを作ることができるのです。(大きく商品力が劣っていたら負けてしまいますが・・・)
「差別化」という言葉がよく使われます。ご存知の通り、競合他社に対し、「差」をつけるための活動ですよね。しかし、差別化をしても競争には勝てません。先ほどの、事例を思い出してください。浜崎あゆみさんよりも、歌が上手になっても、彼女には勝てないわけです。同じように、パーティーで出会った人も、たとえ、商品が優れていようとも、あなたの知り合いの○○さんには、なかなか勝てないのです。会社経営においても、「自社よりも商品力が劣っている商品が売れている」ということがよくあります。
差別化は、あまり大きな競争力強化にはなり得ないのです。顧客を創造するために必要な活動は、「区別化」です。あなたのお店を、競合他社と明確に区別をすることです。
浜崎あゆみさんの例で言えば、「彼女よりも歌が上手で、容姿が良い、別のキャラクターの女の子」であれば、成功する可能性が出てきます。 浜崎あゆみさんと、自分を区別することが大事なのです。
パーティーの事例で言えば、あなたの周りでは誰もやっていない仕事をしている人、という位置づけを確保できれば、その人は、明確に他と区別され、記憶してもらうことや、興味を持ってもらうことができます。
区別化こそが、マーケティング活動において最も重要な活動です。「区別化」を、平たく言えば、「あなたの会社の個性」を作る活動です。
区別化こそが、会社経営を行ううえで、一番最初に考えるべきことなのです。
あなたの会社の個性は何でしょうか?この質問は、会社経営において最も重要な質問です。是非、考えてみてください。
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