■起業・経営ノウハウ・メールマガジン−−失敗から学んだ経営手法(3)

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2005.8.1 メールマガジン vol.23 「失敗から学んだ経営手法(3)」

 

 色々な書籍を読むとベネフィット(利益)を売れ、というようなことが書いてあります。商品を売るのではなく、商品がもたらすメリットを売りなさい、ということですね。

 筋の通った、最もなことのように聞こえます。


 しかし、物事はそう簡単には進みません。

 マーケティング・コンサルタント事業を作り上げたときのことです。

 「ベネフィットを売るんだ」と意気込んでいた僕は、ほぼ確実に売上が上がるコンサルティング・サービスを作りこみました。

 しっかりとサービスを提供すれば、どの角度から見ても、費用対効果が合わないということは考えにくいサービスです。

 

 お客さんにしてみれば、コンサルティングを頼んで損をする可能性はないのです。

 コンサルティング・プログラムを作り上げた後、僕は意気揚々と営業に出かけました。しかし、思ったようには売れませんでした。論理的に考えれば、訪問した会社、ほぼ全部に売れてもおかしくないのです。

 

 僕は頭を抱えました。
 100%ベネフィットが得られるにも関わらず、なぜ売れないんだ?と。

 確かに本には、「ベネフィットを売れば商品は売れる」「お客さんが断る理由をなくすくらいのメリットを提供すれば上手く行く」と書かれているのですが、現実は全く違うのです。

 もちろん、営業力の問題もあったと思います。
 しかし、問題の本質は違うところにありました。

 たとえば、ディスカウントストアを思い出してみてください。
 ディスカウントストアに行けば、安く雑貨や食品を購入できるとほとんどの方が感じていると思います。

 

 しかし、本当にディスカウントストアは安いのでしょうか?
 実は、ディスカウントストアは、スーパーやホームセンターに比べれば割高な商品がたくさん陳列してあります。

 

 そうです。
 実際はそれほど安くないケースが多いのです。
 (お店によりますが・・。もちろん激安のお店もあります)

 ディスカウントストアは、「安い」というイメージを植えつけることに上手く成功しているのです。

 消費者は、そのお店は本当に安いのか、全ての商品を比較するようなことはありません。本当は安いのかどうか分からないのに、安いと思い込んで、そのお店で買い物をする、これこそが消費行動なのです。

 

 しかし、「うちは、安いですよ!」と広告にうたっても消費者は信じません。お店の言うことを鵜呑みにする程、消費者は甘くありません。

 他店に比べて圧倒的に安い商品が目立つ場所に陳列され、内装にはお金をかけていない様子が分かり、人件費も削っている様子がありありと分かり、黄色と赤のPOPで安いイメージを伝え、さらに、ダンボールなどを無造作に配置することで、コストをかけていない=安いというイメージを消費者の五感に伝えているのです。

 これによって、ディスカウントストア=安いと、消費者は感じているのです。

 どれだけ商品が安くても、消費者に「安い」と感じてもらえなければ、安いこと自体は競争力にはなりません。無駄に自社の利益を減らすことになってしまいます。

 ベネフィットを作り込み、それをストレートに伝えるだけでは消費者は動いてくれないのです。

 僕は、マーケティング・コンサルタント事業の作り込みの過程で、完璧な商品を作っても売れないという現実を見せられ、初めてマーケティングの意味合いを理解しました。

 マーケティングとは、相手に、自社はどんな会社なのか、あるいは、自社商品はどんな商品なのか、イメージ付けをする作業なのです。

 

 消費者に持って欲しいイメージを伝え、細部にいたるまで、これでもか!というくらい徹底してそのイメージを伝えることこそが重要なのです。

 マーケティング・コンサルタント事業では、ストレートにベネフィットを伝えるだけでなく、「専門的」「信頼できる」「実績がある」などのイメージ付けを行う施策を考えなければならなかったわけです。

 

 最近のマーケティング書ブームの中では、マーケティングが単純化されすぎて表現されることが多いと感じます。

 

 僕の経験の中では、強烈なベネフィットを打ち出しても商品は売れません。逆に、胡散臭さをお客さんに与えてしまいます。

 お客さんとの接点全てにおいて一貫したイメージを訴求し、自社にとって有利なイメージを植えつけることが重要だと僕は思います。

 

 
【結論:マーケティングの本質とは?】
  ベネフィットを訴求する → 胡散臭がられる → × 
  自社の伝えたいイメージを一貫して訴求する → ○


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