■起業・経営ノウハウ・メールマガジン−−失敗から学んだ経営手法(4)

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2005.8.21 メールマガジン vol.24 「失敗から学んだ経営手法(4)」

 

 オンディマンド(小ロット印刷用)の大判プリント事業を立ち上げたときです。今までは、1枚10万円程度した大判ポスターを、数千円でプリントできるという当時は画期的な事業でした。

 ただ、仕組み面での差別化があまりされていなかったため、半年程度で競合企業が出てきました。同程度の価格帯でサービスの提供を開始したのです。

 

 僕達にとって不利な点がありました。
 それは、競合他社はコピーサービスやラミネートサービス・名刺印刷等で既存の顧客を保有しており、そこに大判プリントを追加してきたという点です。

 

 彼らには、既存の顧客構造があるわけですから、追加で営業マンを雇う必要がなく、低コストでの運営体制を組むことが可能だったのです。

 一方、僕達は、ゼロから大判プリント事業を立ち上げるのですから、営業マンの人件費・新規開拓のための広告コストなどが必要になります。 

 

 同じ価格で勝負できるはずはありません。

 しかし、オンディマンド印刷分野が全体として低価格化に動いている中、当時の僕には価格を引き上げる勇気はありませんでした。

 そこで僕は、価格を維持したまま、コストを引き下げる方向を志向しました。DMやポスティングチラシ等で売上を作っていく方向性に力を入れたのです。営業コストを削減しようという狙いです。お客さんに事務所まで来てもらえる体制を作ろうとしたのです。

 

 1ヶ月が経ち、2ヶ月が経ち、確かに新規客は少しずつ増えていきました。
 しかし、時間が過ぎるにつれ、競合状況はどんどん激しくなり、相場価格は下がり、要求される品質レベルは高まっていきます。

 既存顧客が増えていっても、利益が創出できないのです。
 そして、最終的に、労働時間を延ばして数をこなしていくという最悪の選択肢しか残りませんでした。

 

 この時に僕は重大な気づきを得ました。
 競争優位性を発揮する程度では新規事業では利益は創出できない、競争は徹底的に排除しなければならないということです。

 

 少し分かりづらいでしょうから、具体的にお話しましょう。
   ・10,000社の需要があるマーケットに供給企業100社が存在する場合 ・100社の需要があるマーケットで供給企業が1社しかない場合ともに、1社あたりの割り当ては、顧客100社です。
 (上は、10,000社の需要÷100社の供給企業=供給企業1社あたり100社の需要を取れるという計算になります)

 

 机上では同じ需要なので、儲けは同じように感じますが、上の状況になってしまうと儲からず、下の状況を作れれば儲かります。

 なぜなら、競争が発生すると、価格引下げ・品質向上の圧力が高まり、コスト高の体制になっていってしまい、利幅がどんどん減っていってしまうからです。

 

 多くの人が、急成長している市場を見ると参入したくなります。
 上に書いたような考え方で行きますと、このような市場にはあまり魅力がないと考えたほうが良いでしょう。

 競争が激しいからです。
 もし、参入するとすれば、競合他社では提供できないような独特のサービス体系・商品を保有する必要があります。

 

 具体的にはどうすればよいのでしょうか?
 出来る限り人の逆を考えれば良いだけです。
 そうすれば、競争関係の弱い市場を見つけることができます。

 業界全体として、効率化を志向し付加価値を減らす方向ならば、圧倒的に付加価値を高めることを考えてみてください。

 競合企業に商品をフルラインで扱うような流れがあるならば、狭く特化することを考えてみてください。

 業界のトレンドを掴み、その逆を考えるのです。
 そうすると競争関係の緩い市場を見つけることが可能になります。

 大半の企業は、業界のトレンドに自社をあわせようとしてしまいます。
 だから、上手く行かないケースが多いのです。

 もちろん、口で言うほど簡単なことではありません。

 しかし、競争関係の緩い市場を見つけ、そこへの参入方法やその市場に他社を参入させないための方法を考えることこそが経営者の仕事だと思うのです。
 

 

【結論:基本的なビジネス・スタンス】
  多くの会社がやっているから自社もやろう → × 
  多くの会社がやっていることとの逆をやってみよう → ○

 


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