
2005.8.28 メールマガジン vol.25 「失敗から学んだ経営手法(5)」
経営をする時にはバランスを考えなければなりません。
バランスというと少し分かりにくいでしょうか。
物事の表と裏を見ましょう、と言ったほうが分かりやすいかもしれません。
前回、オンディマンド印刷事業を立ち上げたときに、競争状態にはまりこんでしまい、利益が創出できなくなったというお話をしました。
まさにこの失敗は、物事の表しか見ていなかったからです。
世間では、「商品品質を高めましょう」「価格を上げましょう」「人材を教育しましょう」など、色々なことが言われています。もちろん、これらを全部真に受けて実行しようとしても無理ですし、たとえ実行したとしても、成果にはつながらないケースが多いのです。
具体的な例で考えてみましょう。
たとえば、「品質」が表だとしますと、裏には「価格」があります。
品質を高め、価格を維持すれば(マーケティングがしっかりとしていれば)今よりも商品が売れるようになるでしょう。一方、品質を維持し、価格を下げても、同じように今よりも商品が売れるようになります。
消費の意思決定は「消費者に伝わった商品品質」と「価格」によってなされます。
販売個数を増やすために「品質」を高めようとお考えであれば、価格下げも考慮に入れて、時間効率と費用対効果の高い方を選択するべきなのです。
同じように、「人材の教育」と「儲かる仕組み」も裏表です。
儲かる仕組みがしっかりとしているのであれば、人材教育は多少力を抜いても利益を創出することができます。仕組みがあるのであれば、社員はその中でルーチン・ワークをこなすだけで良いわけですから。
「人材教育」を行った場合と、その時間や費用を「儲かる仕組み」の検討や構築にあてた場合にどちらがメリットが大きいのかを考えた上で、意思決定するべきなのです。
「顧客満足」と「サービスを受ける前の事前期待」も表と裏です。
顧客満足はただ高ければよいというものではなく、「事前期待」を 「満足」が上回ったときに意味を持つものなのです。
高級料理店に行って1人1万円払えば、おいしい料理を食べることがで きます。多くの消費者は、きっとその味に満足するでしょう。
しかし、同時に、消費者は、「1万円払っているんだからおいしくて当然」という「事前期待」を持っていますから、満足がある程度高くても、感動は起きないのです。
顧客満足は、「事前期待」を「顧客満足」が上回ったときに意味が生 じるものなのです。
顧客満足を高めることを考えるのであれば、事前期待を下げることも考えべきだと思うのです。その上で、少ない手間と費用で達成できる方を選択することで効率的な改善策を打つことができるのです。
「商品の魅力」と「販売エリアの設定」も裏表です。
商品の魅力を高めるのか、販売エリアを狭めて密度を高めるか、の選択になるわけです。
他にも例を挙げればキリがありませんが、このように、経営とは選択活動のことだと思います。
しかし、経営の現場では、一面だけしか捉えられていないケースが多いために、大半は「選択」することができていません。
実際に、僕もオンディマンド事業を立ち上げた当時は一面しか見えておらず、競合他社と正面衝突する以外に対策が見つからなかったのです。
何かの意思決定をしようと思うときには、必ずその裏面を見るようにしましょう。裏面にこそ、費用対効果の高い切れ味の鋭い選択肢が隠れていることが多いのです。
【結論:経営効率を高める方法】
全ての事柄について裏面を考えましょう。
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