
2006.1.23 メールマガジン vol.39 「コスト削減のヒント」
僕が、コンサルティング会社に入社した当時の話です。
入社して早々、膨大な業務量に圧倒されたことを鮮明に覚えています。
自分の仕事のスピードが遅ければ寝る時間すら確保できない日々でした。
スキルを高めて、仕事の生産性を高めなければ・・・と考えました。
コンサルティング会社ですから、通常であれば経営に関する考え方やヒアリング技術、顧客対応などのスキルを伸ばそうと考えるでしょう。
しかし、僕は違う視点でスキルの向上に努めました。
僕が最初に取り組んだのは、「特打」という当時流行っていた、パソコンのキーボードを早く打てるようになるタイピング練習ゲームでした。
そうです。
念願のコンサルティング会社に入社した僕は、眉間に皺を寄せて、悲壮な面持ちで、大真面目にタイピング・ゲームをやっていたのです(笑)
コンサルティングという仕事は、資料やレポート作成、データ分析などパソコンに向かって仕事をしている時間が非常に長い職種です。だから、キーボードを打つスピードは生産性に直結します。
どう考えても、経営の勉強や顧客対応などを学ぶよりも、キーボードのタイピングスピードを上げる方が効率が良いと感じたのです。その結果、急激に生産性が高まり、忙しい時期を何とか乗り越えることができたのです。
少し話は変わりますが、皆さんは、QBハウスという理容店をご存知でしょうか。
10分、1,000円でカットをするというお店で、平成17年6月時点で291店舗を展開する巨大チェーンです。家族労働なら分かりますが、コストがかさむ企業体としては、実現が難しいのではないかと思われる価格設定です。
成功の要因について、キュービーネット株式会社代表取締役会長の小西國義氏は、次のようなことを言っています。
「人が1秒動くといくらの出費になるのかを考えてみると、世の中がムダだらけであることに気づく」と。
具体的に考えてみましょう。
月給30万円の人であれば、賞与や社会保険等を全てならして考えると会社としては、ざっくり月間45万円くらいのコストになりますね。
45万円ということは、22日・8時間の稼動だと考えると、1時間あたり2,500円、1分当たり41.7円、1秒当たり0.69円となるわけです。
例えば、箒を取りにいくのに10歩、5秒かかったら、それだけで0.69円×5秒=3.45円になるという考え方です。往復で6.9円です。1日に、100人のお客さんが来たとしたら、年間換算で約25万円にもなります。
小さなムダの積み重ねが非効率を生み出しているのです。
こういった考えから、QBハウスでは、カットをする人はほとんど動かずに全ての作業が出来るよう、システムユニットというものを開発し、徹底的にムダを排除、チェーン展開を成功させています。
1時間当たりの人件費を考える会社は多くありますが、1秒あたりの人件費を考える会社は、そう多くはないでしょう。
最初のキーボードのタイピング速度、そして、QBハウスの効率化の考え方、両者の共通点は、繰り返しの作業が行われる業務では、秒単位のムダの排除が大きな成果につながるということです。
実は、劇的にコストを削減する方法、生産性を向上する方法は、新しい技術や新しい手法にあるのではなく、今、目の前にあることの方が多いのではないでしょうか。
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