
2005.3.14 メールマガジン vol.5 「実践で使える戦略の立て方(2)」
前回は、急成長中の九九プラスを例に、実践的な戦略立案法について考えました。
その中で、出てきたキーワードが、
「競争相手が困ってしまうような戦略を立案する」
ということでした。
そして、コア・コンピタンスを抽出する・顧客ニーズを見つけて対応するという従来型の方法では、実践的・効果的な戦略を立案することは難しいのではないかという問題提起もしました。
今回は、従来型の戦略立案法で失敗した事業の例をお話しましょう。
ある広告事業の話です。
この事業は、次のような広告を設置しようという事業でした。
・待ち合わせ場所などに、ボードを立て、カード型の広告を設置する
・ボードには、50店舗分のカード型広告が置けるようになっている
(1店舗あたり200枚程度設置)
・カードには、飲食店などの店舗情報が載っており、そのまま割引券として使える
・消費者は、気に入ったお店の情報があれば、それを持っていける ようになっている。
この広告は、消費者ニーズに対応しています。
具体的には、
・暇な時だけ、広告を見たい
→待ち合わせ場所にカード広告があれば、友人が来るまでの間、 暇つぶしになる。
・必要な時だけ、広告を見たい
→これから、友人と遊びに行く場所を決める時に、割引券・店舗情報が載っている
広告は便利。
・たくさんの店舗の情報を比較したい
→50店舗分並べることで、比較が可能。
など、広告に対する消費者ニーズに対応させています(他にも色々と工夫点はあるのですが、文章量の関係で今回は、割愛します)
さらに、この事業を立ち上げた会社は、小ロット印刷に強い印刷会社であり、カード型広告を小ロットで、安価に印刷することができました。小ロットの印刷・デザイン技術がコア・コンピタンスになるでしょうか。
教科書的に言えば、とても綺麗な戦略です。
消費者ニーズを見つけ、それに自社のコア・コンピタンスを対応させる、
という戦略立案方法です。
しかし、この事業は失敗しました。
なぜか。
色々な理由がありますが、その中でも大きな要因は、競合について突っ込んで考えられていなかったからだと思います。
店舗の広告媒体はたくさんあります。
ホットペッパーなどに代表されるフリーペーパーもあります。
ぐるなびやヤフーグルメなど、インターネットでの広告もあります。
それらに対する優位性が明確ではありませんでした。
反応率・消費者の利便性などを考えても、決して優位といえる状態ではなかったのです。
どんなにアイデアとしては面白くても、オンリーワン事業であろうとも、競合他社に対して優位でなければ利用してもらえません。
さらに、もう1つ考えなければいけない点があります。
それは、この事業は、立ち上げてから数ヶ月で3社にマネをされたということです。失敗要因に直接つながったわけではありませんが、重要なポイントだと思います。
参入障壁がなかったのです。
たとえ、事業が順調に伸びていったとしても、競合他社との価格競争に巻き込まれていたと思います。
教科書的に、消費者ニーズを捉え、コアコンピタンスに対応させるだけでは上手く行かないのです。
さらに、たとえ競争優位性を持たせたとしても、マネをされる危険性があります。
では、どうすれば良いのでしょうか?
今回も、大分長くなっていますので、続きはまた来週にしましょう。
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